ウルトラマンについては正直なところ、あまり思い出はなくて、小学校低学年の時に「ウルトラマンタロウ」の再放送を見たことがある程度で、あとは円谷英二と出身が同じだったなーくらいで、特にウルトラマン世代との意識はありませんが、この「シン・ウルトラマン」は楽しみしていました。
なんせあの特撮大好きで有名な庵野秀明率いるスタジオカラーの制作ですからね。
「シン・ゴジラ」はなかなか好評を得ていたし、エヴァンゲリオンなんかは私は本当にドハマりで、昨年シリーズ通しての完結となった「シン・ヱヴァンゲリヲン」では泣いたし、その❝シン❞シリーズの第3弾ですから期待しまくって映画を観に行きました。
庵野氏は変人が多いアニメーターの中でも随一、本当に妥協を許さない(自分の信じるモノを突き通す、という意味で)ことで有名です。彼が、半世紀以上たった今でも色褪せず進化し続ける「ウルトラマン」を手掛けるのだからそりゃ価値あるものができるに決まってるじゃないですか。
さらには、この豪華キャストですよ。各役どころに適材適所、魅力と実力を兼ね備えた俳優陣が勢ぞろい!
映画館画は観て来たけれど、確かに面白かったけれども、でも、やっぱり一回観ただけじゃ味わい尽くせないのが、憎いところですよねー
エヴァや、シン・ゴジラもそうでしたし、今回もやっぱりそうでした。
じっくり観直したので、レビューを書かせていただきます。
良かったら読んでくださいね、
ではどうぞー!
あ、そういえば最近、とある建設会社のCMが話題ですよね。
この映画を観た後だと、もうあの二人の外星人にしか見えない( ^ω^)・・・
【シン・ウルトラマン】基本情報
〇タイトル
『シン・ウルトラマン』〇上映時間
113分〇公開日
2022年5月〇監督
樋口 真嗣〇脚本
庵野 秀明〇出演者
斎藤 工(神永 新二 役)
長澤 まさみ(浅見 弘子 役)
西島 秀俊(田村 君男 役)
有岡 大貴(滝 明久 役)
早見 あかり(船縁 由美 役)
山本 耕史(メフィラス 役)〇一押しポイント
魅力的なキャスト陣による迫真の演技と、随所に見れる制作陣の思い入れ。
あと、メフィラス山本の好きな言葉(と苦手な言葉)
登場!ウルトラマン
ある日突然巨大不明生物が現れるようになった日本。
巨大不明生物「ゴメス」
巨大不明生物第2号「マンモスフラワー」
巨大不明生物第3号「ぺギラ」
次々出現するに対し、甚大な被害を出しながらも、官民総力を挙げて何とか駆除。
超自然発生巨大不明生物に対し、
政府は適性大型生物の呼称を『禍威獣(カイジュウ)』と決定。
適性大型生物第4号 飛翔禍威獣「ラルゲユウス」
が出現するも、これを取り逃がす。
続々と出現する禍威獣の脅威に対し、政府は防災庁を設置。
同時に、防災庁内に禍威獣災害対策復興本部を設立し、
5名の専門家からなる禍威獣特設対策室、通称『禍特対(カトクタイ)』を設置。
適性大型生物第5号 溶解禍威獣「カイゲル」 出現に対し、
禍特対初出動。
専門知識による対策と、自衛隊との連携により、カイゲルの駆除に成功。
続けて、
適性大型生物第6号 放射性物質捕食禍威獣「パゴス」との対峙においても、
禍特対の指揮にて駆除に成功。
そして、現在・・・
と、ここまでがプロローグ、ものの数分で紹介されます。
まるで、エヴァンゲリオンのオープニングのごときテンポで大忙しですが、その分勢いがあり、
いかにもスタジオカラーといった感じで、観る側のテンションをアゲてくれます。
そして、首都圏郊外に現れる第7号禍威獣「ネロンガ」
突如現れたネロンガは自らの姿を透明にする能力を持つ禍威獣でした。
餌となる好物は「電力」。餌となる電力を求めて変電所を襲うネロンガはバリバリと電力を補給しますが、禍特対の対応で電力は断たれ、さらに貫通弾による攻撃を受けます。
しかし、これをネロンガは放電で迎撃、さらに怒り狂って周囲を無差別放電による攻撃を繰り広げました。
他の手立てを考える間に、他の餌場を求めて移動を始めますが、この時、神永がモニターから避難地区に一人の小学生が取り残されていることに気付きます。すかさず「保護に向かいます」と言い残し、神永が単身保護に向かう途中の最中、突如、大気圏外から正体不明の飛翔体が超高速で降下してきたのです。
飛翔体の落下によるとてつもない衝撃で、周囲の広範囲にわたって瓦礫が吹き飛びます。
小学生を保護していた神永も巻き込まれ、この衝撃と瓦礫から身を挺して小学生を守るのでした。
これぞまさに特撮といったシーンが続きますが、ここで巻き起こる土煙の中現れる銀色の巨大人型生物がまた、カッコいいんですね。
「よっ、待ってました!」と言わんばかりの登場シーンです。
今回のこの銀色の巨人、自分がイメージしていたウルトラマンよりもシュッとした細マッチョ的体系でカッコいい。謎めいた雰囲気に神秘さも感じました。
(あ、ちなみに、この銀色巨大細マッチョが「ウルトラマン」と呼称されるのは、この後です)
予想外の展開に慌てふためく、禍特対をよそに、銀色の巨人はネロンガの前に立ち塞がります。
強力な電撃ビーム浴びてもものともしない巨人に危険を察し再び透明化し逃亡に転じようとしたその時…
「巨人の体内に高エネルギー反応!」(ラミエルw)
銀色の巨人が十字に構えた手元から、光波熱線が発せられ周囲の山々とともにネロンガを粉砕したのでした。
V.S. 禍威獣第8号「ガボラ」
謎の巨人というまたしても新たな謎を抱えた禍特対の元に、公安調査庁より出向した浅見弘子が禍特対に加わり、神永とバディとして組むことになりました。
浅見は負けん気が強い性格で、気合を入れる時に自分の腰元をパンッを叩く癖があります。
また、浅見役の長澤まさみさんはこのウルトラマンについて、神永やウルトラマンに対してある種の恋愛観や愛があるのでは、とのコメントを残しています。
そういった想いが現れるのはもう少し後になるのですが、この少し癖のある役どころに自分の解釈を織り込みうまく表現しているのは流石です。
そして…
またしても山中に現れた第8号禍威獣に対し、現地合同対策本部で無人偵察機からの映像をもとに解析をする禍特対。浅見の禍特対としてのは初出陣の機会になります。
進撃する禍威獣の後には放射性反応があり、以前現れた放射性物質捕食禍威獣「パゴス」との共通点が見つかります。過去甚大な被害を残したパゴスの痛烈な記憶が呼び起こされる中、禍威獣は「ガボラ」と命名されました。
ちなみに、この禍威獣に対する命名は防災大臣が付けているらしいです。が、作中で深く突っ込む人がいないところが逆に笑えます。
銀色の巨人の出現に備え、浅見がデータ収集班に指示を出しているスキに神永は対策本部を抜け出します。森の中を走りながら神永は銀色の筒状の装置らしきもののボタンを押すと、光と衝撃波の中から銀色の巨人が姿を現し、ガボラの元へ飛び去りました。
大型貫通爆弾の爆撃をものともせず進撃を止めないガボラ。そのガボラの元へ巨人は足元から降り立ち、不意打ちの回転蹴り(と呼んでいいのか…?)でガボラを吹き飛ばします。
それにしても、この爆撃やら、巨体のアクションシーンは、本当にどのシーンを観ても素晴らしい迫力。本当にスカッとします。
掘削用のドリルで攻撃を仕掛けるガボラですが巨人はこれを躱し、ガボラを投げ飛ばしますが、これにガボラは激怒。放射能を伴う光線を巨人に浴びせます。
必殺の光波熱線を使わず、巨人は両手を広げ背後の核廃棄処理施設への被害を抑えようとしているようでした。それどころか、周囲に飛び散ると思われた放射性物質の浄化をしている様子さえ見えます。登場時の体表の赤いラインが、緑へと変化し、弱体化が伺われたその時、ガボラへ渾身の正拳突きを見舞うとガボラを撃破。
見守る浅見達を目に留めると、ガボラの巨体を抱え空へ飛び去っていきました。
身を挺し放射性物質を浄化したこと(ウルトラマン万能説…)や、やたらと決め技で木っ端微塵にしないところや、禍特対に対する一瞥、ガボラ持ち去り。知性を感じさせる銀色の巨人の振る舞いに、浅見は希望を見出すのでした。
そして、この事件の後、政府はこの銀色の巨人を「ウルトラマン」と呼称すると決めたのです。
しかし、この後登場する外星人たちも当然のように「ウルトラマン」と呼ぶあたりは、どうなんでしょうかね。ウルトラマン自身も「ウルトラマン」と呼ばれることを人類に合わせている感じだし、山本メフィラスとかもそれに合わせて「ウルトラマン」と呼んでいたのか。なんか、家庭内でお父さんがこの立場に立って自分のことを「お父さん」と呼ぶみたいでなんか面白いです。
平成ウルトラマン以降のウルトラマンとはパラレルだとしても、やっぱりウルトラマンは世代を超えて当然❝ウルトラマン❞なんでしょうか。
V.S. ❝ニセ❞ ウルトラマン
世間の注目が、ウルトラマンに集まり始める最中、
禍特対本部・専従班室において事件が起きます。
電子機器が突如停電しデータがクラッシュしてしまったのです。
暗闇の中、これまでの集積データを喪失したと焦り、取り乱す瀧と船橋。そこへ、異形の人型怪人が現れます。彼は自らを外星人「ザラブ」と名乗りました。
彼の発する怪光線とともに蘇るデ
ータ。彼は自らの進んだテクノロジーと能力を見せつけると、日本に対し平和的協定を持ち掛け、政府はこれに応じる姿勢を見せます。大隈総理はザラブと協定を結びますが、これを見た神永(というかウルトラマン?)は協定の内容から、ザラブの陰謀を察します。
人類に対して電子データを容易に操る高度な科学力を見せつけたザラブは、条約締結を契機に国家間で争わせ、人類を排除しようとしていたのです。
神永をウルトラマンと知るザラブは、神永を呼び出しまんまと拘束してしまいます。
ウルトラマンの姿を装い、横須賀で暴れるザラブ。計略の障壁となるであろうウルトラマンを貶める作成でした。
さらには、ガボラ戦で変身する神永が変身する動画が世に流布します。
状況に畳みかけるようにウルトラマン(=神永)を抹殺する提案を政府に持ち掛けるザラブ。
しかし、一方のウルトラマンも伊達にIQ10000の頭脳を持っていません。(『怪獣図解入門』(著:大伴昌司)より)
事態を予測し、彼のバディ浅見へ変身用アイテム点火装置・ベータカプセルを託していたのでした。
再び、ザラブ扮するニセウルトラマンが街を荒らします。
廃ビルに監禁されていた神永の元に浅見が駆け付けます。これまで謎の多くいまいち打ち解け合えなかった神永に対し、正体を知った浅見が詰め寄ります。明かすに明かせなかった事情を彼女なりに察し、少しだけ解り合った二人。ザラブを倒してと頼んだ直後、今度は浅見がにザラブに捕まります。
浅見の目の前で変身するモノホン神永ウルトラマンは、すかさずザラブを蹴り飛ばし浅見を救出。
優しく地上に下ろすと「安心して、任せろ」と言わんばかりのアイコンタクトです。
この一連のウルトラマンの振る舞いが豪快且つ、優しくて私は好きです。
そして、このザラブ戦は、主に空中戦。
大都市上空を飛び回りながら、時に墜落しそうになりながらのこの戦いも、なかなかの迫力。逃げ回るザブラの直下に、背面飛行でスッと現れ(観ててちょっとギョッとします)、スペシウム光線で遥か上空に吹き飛ばす様子に、ウルトラマンにこんな戦いがあるのかと思わせる一戦です。(私はウルトラマンを良く知らないのでなおさらです)
苦戦の末に、上空で八つ裂き光輪でザラブを真っ二つにしてこの一戦を制するのでした。
V.S. 『私の好きな言葉です』もとい、メフィラス
ザラブの一件を機に、『ウルトラマン=神永 新二』が明るみになり、日本を含む世界各国が軍事利用を目的に神永の行方を追いますが、彼の行方は杳として知れず。一方、浅見も仕事場に姿を現しませんでした。が、彼女は突如として街中に巨大な浅見弘子が現れます。
その姿は間違いな浅見なのですが、その様子は催眠状態にでもあるように無表。困惑する民衆と禍特対たちが見守る中、巨大浅見は肘でビルの外壁をうち破り、まるで操り人形のような奇妙なポーズで停止してしまいます。
攻撃許可を得た自衛隊が攻撃を仕掛けようとしたその時、中空から何者かが話しかけてきます。
これはデモンストレーションであり、巨大化や強靱化はウルトラマンのみの技術ではないことを示すために行ったことだというのです。
巨大化した浅見について調査はが行われますが、何もわからないことが分かるのみ。物理と生物のエキスパートである、瀧と船縁は自らの至らなさに肩を落とします。そんな様子を見て、元気を出すよう肩を叩く宗像室長はまるで優しい父親のようです。
元気のない禍特対の傍らに、またも突如現れる人物。
ここで、主人公役の斎藤ウルトラマンを超えんばかりの印象を残した「山本メフィラス」の登場です。
名刺を差し出しながらメフィラスと名乗るこの外星人は、紳士的姿勢で自らの援助により禍威獣や外星人の脅威から身を守る自衛計画を提案。ですが、英知でも武力でも外星人には敵わないことを見せつけ、人類を管理することが狙いだったのです。
また、メフィラスは神永の所在も突き止めており、とある居酒屋にて自らの計画を明かし、計画に誘いますが、すでに自分の半分は人間であり、神永として人類への愛情からその計画を否定。交渉は決裂します。
なんの変哲もない居酒屋で、サラリーマン風の男が仕事の話をしているように見える(ある意味そうだけど)ところがまた斬新で面白いですが、
ちなみに、撮影で使用されたお店は『浅草一文』という季節料理を出すお店だそうで、映画公開以降、❝聖地❞とされ、お客さんが絶えないそうです。
その翌日、
屋外に設営された式典会場でメフィラスと日本政府との調印式が始まります。
正式に条約が締結し、異次元「プランクブレーン」に格納されていたベータ・ボックスを披露したその時、ウルトラマンが出現、ベータ・ボックスを強奪します。
ウルトラマンは、ベータ・ボックスに付着した数値化できないデータ、つまり、浅見の残り香を辿ってプランクブレーン内を直接探索、ベータ・ボックスのありかを突き止めたのでした。
この行為について、メフィラスは「変態行為」と表現しますが、実際に浅見の匂いを記憶する行為はそう言われても仕方がないもので、ネット上でもハラスメントと一部否定的な評価が見られました。
(そう言われれば、先の巨大長澤まさみのシーンも❝必要以上にローアングルを攻めている❞との古声があり一部でセクハラ映画と揶揄する声がありましたね)
奪取したベータ・ボックスを禍特対に託すと、ここで❝どこか❞で見覚えのある政府の男が。
彼に「上手く質に取られたな…という状況なのだが?Mr.メフィラス」と言われ、「アフターケアも万全です」とメフィラスはベータ・ボックスを点火、自らの実力でウルトラマンに対抗します。
山本メフィラスが、真のメフィラスに姿を変えたウルトラマンとの一戦…
結構で鳥肌モノでしたね。
エヴァンゲリオンを彷彿とさせるメリハリボディのメフィラスはまたスタイリッシュで恰好よく、巨大ボディ同士が投げ合い、ぶつかり合う迫力は、正に特撮って感じで最高です。
(ここでのBGMもまたカッコいいので、ぜひ観て・聴いていただきたい)
メフィラスに弾かれた八つ裂き光輪が工場施設をザクザク刻む迫力や、光線の早打ちシーンなんかは、マジでシビレます。
ウルトラマンの弱点は、その変身の機構から長く戦えない点にあります。そこの弱点を突かれ、光線の打ち合いにとともに次第に消耗していくウルトラマン。
しかし、メフィラスはウルトラマンの背後の、新たな脅威に気付きます。
メフィラスはそれが何かを瞬時に理解し、ウルトラマンへの警告とともに身を引くのでした。
新たな使者と、天体制圧用最終兵器『ゼットン』
ウルトラマンの元に現れた新たな使者、名は「ゾーフィ」と言いました。
彼は、他生命体との融合という光の星のタブーを犯したウルトラマンに替わり、ウルトラマンの故郷『光の星』から新たに遣わされた、監視者であり、裁定者でした。
その姿は、作中巨大化することはありませんが、初めて現れたウルトラマンのように神秘的な雰囲気というよりは、不気味な雰囲気を漂わせています。
彼の言うことには、ウルトラマン(故郷では「リピアー」の名前)が犯した禁忌とメフィラスの策略により、ベータ・ボックスを用いることで人類が光の星の戦士と同じ戦力になり得ることを、マルチバース(『あらゆる次元の宇宙』的な意)の全域に知られてしまったために、人類を今のうちに根絶する。そのために、天体制圧最終兵器『ゼットン』を用いるというのでした。
結構言ってることが滅茶苦茶ですよね。人類を滅ぼすため太陽系を吹っ飛ばす一兆度の火の玉製造マシンを使うなんて、かなりスケールのでかいアホです。人類には到底理解できないお方なのでしょう。
ゾーフィの手から放たれた掌に乗る程度の物体は、宇宙空間で巨大な兵器ゼットンに姿を変えていきます。このシーンもまたカッコいい。変形ロボとかにゾクゾクするタイプの方は喜ばれると思います。
ウルトラマンは地球を守るべく、ゼットンに挑みますが、電磁光波防壁の前にスペシウム光線も、巨大八つ裂き光輪もまるで歯が立たず迎撃され、海に墜とされてしまいます。
ウルトラマンが敗北した・・・
政府関係者に絶望感が漂います。
しかし、挑む前に瀧と船縁に、ウルトラマンはベータシステムの基礎原理と高次元領域に関係する情報を託していました。人類は諦めない…、ウルトラマンは人類と生き延びる可能性を信じていたのです。
瀧・船縁が全世界の有識者たちと導きだした解は、
ベータ・カプセルをゼットンの近くで点火することにより、別次元への入り口を開き、その瞬間に生じるエネルギーを利用してゼットンを別次元へ(殴り)飛ばす、
というものでした。
しかし、その結果ウルトラマンも別次元に飲み込まれ並行宇宙を彷徨うことになるらしいのですが、それについては人類の未来が最優先であるとして、問題にしないとの神永ウルトラマンのセリフが男前です。
先のゼットンとの対戦による負傷から辛うじて立ち上がった神永ウルトラマンは、全人類の希望となるべく、再び変身します。
浅見からの激励に対し「行ってくる」と答え、ベータ・カプセルを点火しウルトラマンに変身しますが、ここで初めてウルトラマンの変身シーンでお馴染みの「ぐんぐんカット」が使用されるあたり、庵野氏、樋口氏のこだわりを感じますね。
計画通りゼットンに突撃しつつ、ベータ・カプセルを再び点火するとともに、異次元宇宙にゼットンを放り込むことに成功しますが、ウルトラマンもまた異次元宇宙に閉じ込められてしまいました。しかし、ウルトラマンの人のために生きたいという想いが信号となり、その信号をもとにゾーフィがウルトラマンを見つけ出しました。
ゾーフィはゼットンを倒した人類の智慧と勇気に敬意を表し、残置するにとどめるとしましたが、ウルトラマンは人類と同化した罪を償うために光の星へ送還すると話します。
しかし、ウルトラマンは同化した神永と危機が続くであろう人類のために残りたいとゾーフィに頼みます。その想いに揺るぎないものを感じたゾーフィは受け入れ、ウルトラマンと神永を分離し、ウルトラマンの命を神永に与えたのでした。
神永は人間として地球に帰還、禍特対の見守る中で目を覚ましたところで映画は終わります…
最後に
ウルトラマンは1966年に登場して以来、50年以上にわたり日本人に愛されてきました。1966年といえば、日本は高度成長期の真っ只中、そんな中で育った子供たちは目まぐるしく進化する技術に、輝かしい未来に胸を躍らせたに違いありません。本作で総監修・脚本を担当した庵野氏もそんな時代に育った一人。庵野氏は学生時代に、自主制作映画としてウルトラマンを題材とした映画を作成し、公開していたそうです。
そんな庵野氏の特撮に対する思い入れは強く、今回の『シン・ウルトラマン』のような特撮に限らず、今までの作品の随所にそのエッセンスが盛り込まれているのを感じます。
シン・ウルトラマンを観た今、またエヴァやゴジラを観直したら新たな発見があるような気がしました。
何から観ようかなー
では、次のレビューでまたお会いしましょう!
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